「君は当選した。」という言葉で目を覚ますと、そこは死体安置室。どうやら僕は死んでいたらしい。怪しい雰囲気から逃げ出した先で『管理人』と名乗る男に出会い、その男から僕は、ミンという少年の体に魂のホームステイ(人生の再挑戦)をする権利を得たと告げられた。ホームステイの期限は100日間。その間にミンが自殺した原因を突き止めること。さもなくば僕の魂は永遠に消え去る。僕の人生の再挑戦が始まった。
ホームステイ ボクと僕の100日間』ってどんな映画?
原作は森絵都のカラフルという小説で日本でも映画化さている作品をタイの映画監督パークプム・ウォンプムが自分のスタイルで作品化したもの。
出演は
- ティーラドン・スパパンピンヨー (ミン)
- チャープラン・アーリークン (パーイ)
- Saruda Kiatwarawut (リー)
- 他
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あらすじ
生前の記憶を消され”ミン”の体へ魂のホームステイをすることになった”僕”。
唯一全ての事情を知る『管理人』は僕ミンに「ミンが自殺した原因を100日以内に突き止めろ、さもなくばお前の魂は永遠に消える」と告げた。
僕はミンとして新しい家族と暮らし、”ミン”の通っていた学校へも行き、そこでは恋も始まる。
家族との生活はギクシャクしていて、やがて両親は離婚を、母親には恋人がいることを知ることに。
兄はミンを嫌っていて、父は自分勝手なビジネスを始めている。
好きになったパーイは学校の先生と…。
すべてがミンには受け止めがたい重荷だった。
すべてが許せなかった。
腐ってる。
こんなところで暮らしていれば死にたくなって当然、そんなすべてがミンを殺したと思った。
でも、本当にミンを殺したのは…。
『ホームステイ ボクと僕の100日間』レビュー
感想 ネタバレあり
この映画を知ったのは TAT (タイ国政府観光庁) のウェブサイトで 【タイ映画】タイ発青春ファンタジー『ホームステイ ボクと僕の100日間』 というタイトルで記事が書かれていたのを見て知りました。
アジアは結構前から旅行で行ってた僕ですが、最近は思い切って “やんだ / アジア好きブロガー”と名乗りはじめたんで、アジア好きを名乗るなら、アジアのエンタメも見よう、知ろう、楽しもう、と思ったのが始まりです。
結論から言っちゃうと、この映画は見て正解でした。泣く、泣く。あちこちで泣く。そんな映画でした。
この映画、始まりはホラータッチな感じで恐怖感を感じるように撮られているのですが、途中からはキラキラした青春ものとしても楽しめます。
見てて思ったのは、「こんな青春送りたかったぜい。」とブログ用に録音してるレコーダーアプリにも残ってる通り、ミンは理想的な青春を学校では送っています。
一方、家族生活は吐き気がするほど腐った関係。
両親は離婚、兄は自分を嫌っていて、母には恋人がいるのを目撃してしまう。
家族関係については、後半にミンが「こんな家族、吐き気がする」とこぼします。
好きになった彼女パーイにいたっては、学校で先生との関係を目にして傷はさらに増えていき…。
人生って、受け入れられない、受け止め切れないこと沢山起こりますよね。ほんと。
その度に傷つき、倒れ、起き上がり、やがて疲弊する。
でも、その出来事に相手がいるならば、その相手にも事情や人生がある。
例えば両親の離婚。
辛いことだけど、当事者同士の事情があります。
子供のことを考えるとっていう意見ももちろん当然ですが、やっぱり無理なものは無理だったりするんじゃないかなって。
うちも親は離婚しています。もちろん勝手に散々振り回しやがってという気持ちもありますが、当事者間にしか分からない、たとえ一緒に暮らしていた子供でも理解できない、感じられない苦しみ痛み、辛さがあると思います。
だけど、子供もその決断を受け止め切れない。辛い。
パーイと学校の先生の関係も。
あんなの見たら、頭おかしくなっちゃうでしょうね。
でも、色んなことを経験して、自分の器では受けきれなかった分が悲しみや苦しみとして溢れながら、大人になっていくんだと思います。
かと言って大人になったからって全部が受け止め切れるわけではありませんが。
その過程でどうしても、耐えきれずに死にたくなるというのはあると思います。
その結果に起こったミンの自殺。その原因。
誰がミンを殺したか。という問いについては納得の答えでした。
人生に悩んで迷って傷ついた人がこの映画を見ると、主人公ミンに色々言いたくなる映画だと思います。
共感したり、反論したり。
あとでブログに感想を書こうとレコーダーで録音しながら映画を見てたんですが、けっこう入ってます。自分の泣く声が。
そんな映画でした。
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