こんにちは、最近旅行記をよく読んでいる”やんだ”です。
『ガンジス河でバタフライ』という言葉は聞かれたことがあると思います。
2007年には長澤まさみさん主演でテレビドラマにもなった旅行記・旅エッセイのタイトルです。
今回この、『ガンジス河でバタフライ』を読み終わったので感想と紹介をしたいと思います。
ガンジス河でバタフライ 著者 たかのてるこさん 紹介
学生時代に同級生だった宮藤官九郎さんの映画に出演したり、島田紳助さんの番組に出演されていたたかのてるこさん。
インドから帰国後30社以上の不採用を受けたのち東映に入社し番組制作の道で活躍されていたようです。
そんなたかのてるこさんの初めての海外旅行は香港、シンガポール、マレーシア。
2度目の海外旅行の行先がインド。
この2つの旅をまとめた旅行記が今回紹介する『ガンジス河でバタフライ』です。
ガンジス河でバタフライ との出会い
最初の出会いは長澤まさみさん出演のテレビドラマ版『ガンジス河でバタフライ』でした。
このドラマが面白く記憶に残っていたのですが、のちに原作があるのを知りました。
テレビドラマ版と原作とではかなり違いますね。
テレビドラマ版はコミカルに描かれています。
ですが原作でのインド旅行編は、たかのてるこさんの見たインドを読者が本を通して経験し色々と考えるように描かれていると思いました。
本書前半のアジア編はコミカルさもありましたよ。
ガンジス河でバタフライのあらすじ
幼少のころは気が弱かったたかのてるこさん。
いつも私は自分が本当の自分ではないと考えていて、いつか今と違う自分になれると思っていた。
6歳年上の大学生の兄が海外を一人旅している姿に憧れて、いつかは自分も同じように旅をしたいと考えていたそうです。
20歳の夏、なにも行動を起こさない自分に苛立つようになり、ありったけの勇気を振り絞って一人旅に出る決意をして香港へと旅だった高野さん。
香港では旅仲間達と出会い楽しく過ごしていたが、いつも周りに人がいる現状に不満を覚え香港からシンガポールへと旅立たれます。
マレーシアにも足を延ばし様々な出会いを経験し日本へ。
就職活動が始まり、面接で堂々と胸を張って「趣味は旅だ」と言えるようになろうと今度はインドへの旅を決意する。
そして就活の面接で「ガンジス河でバタフライをしてきました!」と言って面接官に「ガッツのあるやつだ」と思われたい下心を持ちながらインドへ旅立ちました。
ガンジス河でバタフライの感想と紹介
お母さんとのやりとりに思わず声を出して笑ってしまいました。すごいキャラしてますね、お母さん。お母さんを題材にした書籍、淀川でバタフライも買って積読してあるので、読みたくなってきました。
この本のタイトルは『ガンジス河でバタフライ』なのでインドの旅行記かと思っていたのですが、インド旅行以外に初めての海外旅行の旅行記として本書の第一部に香港旅行が書かれていました。
しかしはじめての旅の旅行記はいいですね。初々しさが上手なユーモアと一緒に書かれていて読んでいて微笑ましくて自分まで何か楽しく嬉しくなってきます。
たかのてるこさんの初めての海外、香港に到着してからの朝食のシーンで拙い英語で地元のおじさんとコミュニケーションをとってるシーンがあります。
そこで
“もしかしたら、へたに流暢な英語ができるよりも、身ぶり手ぶりの方がよっぽど”気持ち”が伝わるのかもしれないな。私は心を開いてオープンになるときのコツをギュッとつかんだような気がした。”
と書かれているのを見て、こう感じました。
2018年の作品の 生きるって、なに? に繋がってるな、このころからこうだったんだ。って。
こうだったんだっていうのはハートフルな人だったんだっていう意味です。先ほど例にあげた 生きるって、なに? を以前読んだのですが本当にハートフルでたかのてるこさんの暖かさが感じられる本でした。ちなみに 生きるって、なに? はKindle Unlimited で無料で読めます。
読んでて感じたのは人との関わり方が上手だなってことです。
マレーシアで夜行列車を待っている時に出会った人の家出の話とかすべて運なのだろうけど、読んでて感動する箇所が何か所も。
人と打ち解けるのが上手で人と関わることに一生懸命で、人の気持ちを上手に受け取る。素敵だなと思いました。
しかしたかのてるこさんの初めての海外旅行は凄い。本当に人との出会いの旅。初めての海外であれだけの出会いを繰り返せば、そりゃ海外旅行の虜になるだろうなと思いました。
インドでの旅は楽しかったこれまでの香港、シンガポール、マレーシア編とは違い、人との出会いにも変化が。
物乞いをする子供や大人と出会うことによって色々考えるシーンは僕も考えさせられました。
インドには行ったことは無いですが、いつか行ってみたいと思っています。その時僕はどうするのかな?何を見て何を感じて何を考えるのかなって。
それと列車で知り合った家族の家を訪ねそこで起こったカースト制による差別的なシーン。
その村でインドの二つの顔を見せられ、悩む真っ直ぐな気持ちがこちらにまで伝わってきてここでも考えさせられます。
そしてインド編はたかのてるこさんの成長の記録でもあります。
旅することで成長する彼女を本を通して見ることのできる読者もまた成長する。
そのんな本でした。
あははと笑えるユーモアな部分、ほろっとくる人との出会い、どこかロマンティックな旅だった香港・シンガポール・マレーシア編、深く考えさせられるインド編、たかのてるこさんの人に対する素直な一生懸命さ、といろんな要素が詰まっている。これがこの旅行記が16万部を超えるベストセラーになった理由ですね。
あー、旅がしたくなってきました。
最後に
この本をまとめると、優しさに溢れた旅行記・旅エッセイでした。
読むとまだ知らぬ誰かと会いたくなって旅に出かけたくなりますよ。
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